寝たきりの方の口腔ケアの重要性と必要性について

寝たきりの状態で歯磨きは不可能です。 うがいをする事も非常に困難な作業となります。口腔内を清潔に保っていなければ、不潔なだけでなく、「誤嚥性肺炎」「虚血性心疾患」等様々な疾患にかかること、歯や口の機能を失ってしまうことが予想されます。 食べる、話すなど歯や口の機能を保つ意味でも口腔ケアは重要です。 また、歯や口の機能の活性化が脳によい影響を与えること、かめることが全身の運動機能にかかわりのあることがわかっています。

お口のメインテナンスが重要なわけ

1. かむことの重要性

かむことと脳との関係

噛むという運動は脳に直接的な刺激を与え、脳の発達を促し活性化します。
身体の中で脳と歯・顎は極めて近い位置にあります。どれも頭蓋骨という狭い空間の中におさまっています。しかも顎は、頭蓋骨の中でも最もダイナミックに動く器官なのです。上下の歯をかみ合わせる噛むことによる刺激は、たえず脳に送られています。この刺激は、歯根(歯ぐきに埋もれている歯の根っ子の部分)の外側についている歯根膜によって脳に伝わります。歯根膜にはセンサ-がついており、このセンサ-が噛む刺激をキャッチして脳に送ると、脳細胞が活性化するわけです。

歯と認知症

たとえば、認知症のお年よりを調べると、歯が少なくなってしまった人や、かみ合わせの悪い人が多いのです。逆に元気なお年よりには、入れ歯でも自分の歯でも、かみ合わせが正常な人が目立ちます。しっかり噛むことが、脳の老化を防いでいるわけです。
また別の調査では、歯が少ない人ほど記憶と関係している 脳の“海馬”と呼ばれる部分の容積が少なかったそうです。
「海馬」とは記憶の形成にかかわる脳の神経の一部で、加齢とともに小さくなります。加齢とともに記憶力が低下するのは自然な現象ですが、「海馬」の神経細胞は鍛えれば増加することが分かってきています。噛むことで脳への血流が増して、認知症の予防にもつながります。

運動能力との関係

噛むことは、全身的運動の一部であり、運動能力を高めたり、かみ合わせのバランスが身体の平衡感覚に影響を及ぼします。
かむトレーニングをしたり、しっかり噛むことができるように入れ歯をきちんと調整した結果歩行機能などが回復した事例もあります。

2. 口の中を清潔に保つことの重要性。

口臭ケア

口腔ケアが不十分だとお口はすぐ臭ってしまいます。
お年寄りの場合は、加齢により唾液の分泌量が少なくなります。
唾液には雑菌を洗い流す働きもあるので、気を付けないと、口腔内の雑菌が増え、口臭の原因となってしまいます。

誤嚥性肺炎の予防

誤嚥とは、唾液や食物、胃液などが気管に入ってしまうことをいいます。
食物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで起こるのが誤嚥性肺炎です。
要介護高齢者の舌にこびりついた汚れの中には、誤嚥性(ごえんせい)肺炎の原因となる細菌が検出されます。誤嚥性肺炎は高齢者の死亡原因にもなり、口腔・舌苔の清掃は、全身症状の管理という視点からも重要です。




3. 少しでも長く食べる楽しみを

口腔ケアを行う最大の目的は、 QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を高め、 口腔から、全身の健康維持をすることです。
高齢者はものを呑み込む機能も低下し、むせやすくなったり、口のなかが乾燥して食物を飲みにくくなったりします。
ご自分のお口でお食事を食べることは、からだが健康であるために欠かせません。
口の中を清潔に保つことだけでなく、かむことに加えてかんだ後、しっかり呑み込む機能を鍛えることも大切です。

好きなものを食べる、好きなことを話す、元気に笑うことは 生きていく上で大切な要素です。 そのために口腔ケアは重要です。

ほんだ歯科の取り組み

ほんだ歯科では介護が必要な方の口腔ケアに取り組んでいます。

1. 医院で口腔ケアの方法の指導を行っています。

医院で介護なさる方に口腔ケアの方法を説明指導します。
また、最近では口腔ケアに特化した歯ブラシなどの器具もございます。
効率よく口腔ケアが行えるよう工夫されています。
お気軽にお問い合わせください。

2.患者さんの自宅に伺って歯科治療、口腔ケアを行います。

訪問診療という仕組みがあります。
歯医者さんの往診です。
治療だけでなく、歯石の除去、専用の機械での口腔内の洗浄などの口腔ケアも行うことができます。
*ほんだ歯科の訪問診療の対象地域は愛知県東海市、愛知県大府市です。

口腔ケアでお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。